彫金コースとWAXコース
大手の工房では「彫金コース」「WAXコース」と、2つのコースが設けられています。コースの選択によっては、結婚指輪の仕上がりが大きく変わります。シンプルなデザインの指輪を求めているのなら「彫金コース」。デザインにこだわりたいと言うのなら「WAXコース」でしょう。
彫金とは材料となる金属に直接手を加え、指輪を作ります。一方WAXコースは型を使い、指輪を作っていきます。金属を溶かしていくため、彫金のように直接金属に手を加えることはしません。
彫金とは？
彫金についてもう少し詳しく掘り下げてみます。先ほどにも述べたように、彫金は金属に直接手を加えて指輪を手作りしていきます。
材料となる金属に「焼き鈍し」をほどこします。バーナーを用いて金属が真っ赤になるまで、焼いていくのです。金属が真っ赤になり柔らかくなったら、指輪の形に丸めていきます。金属が指輪の形になると「ロウ着け」と言い、つなぎ目を張り付けていきます。夫婦が直接手掛けるのは次の「サイズ出し」です。ゲージ棒と呼ばれる棒に指輪を差し込み、木槌で指輪の形を整えていきます。整ったら指輪に磨きをかけて完成となります。
WAXとは？
WAXコースの場合、まずは2人でロウを専用のやすりで削って指輪の形に仕上げていきます。ロウの指輪が完成すれば周りを石膏で固めて、専用の型を生成。型に流した金属を流し込み、中の金属が固まれば磨き上げて完成となります。以上の方法を「鋳造」とも呼びます。
彫金と比べると時間はかかりますが、デザイン性の高い結婚指輪に仕上がるでしょう。
どちらを選べば良いの？
彫金とWAXコース、どちらが良いのかは何とも答えようがありません。カギを握るのは、どんな結婚指輪を求めているのかです。
例えば「シンプルでも良いから手作りの醍醐味を味わいたい」というのなら、彫金でしょう。工房によっては、「焼き鈍し」から携わることができます。危ない作業の際には、職人のバックアップがつくため安心です。また複雑なデザインの結婚指輪を求めているのならば、WAXを用いた鋳造がおすすめです。